株式会社の設立

株式会社は、定款の認証、出資の払込み、法務局への設立登記の順に設立します。最低資本金の制度はなく、会社の成立日は登記を申請した日です。設立後も税務署などへの届出期限があります。

発起設立と募集設立、株式会社と合同会社の違い

株式会社の設立方法には、発起人だけで設立時発行株式のすべてを引き受ける発起設立と、発起人以外からも出資者を募る募集設立があります。創業者数名で始める会社のほとんどは発起設立で、手続きも簡単です。募集設立は払込みの取扱いを銀行などに委ねる必要があり、書類も増えるため、外部の出資者を最初から迎える場合に限って検討します。

同じ法人でも合同会社は、定款の公証人認証が不要で、設立時の登録免許税も株式会社より低く抑えられます。一方で株式会社には、株式による資金調達のしやすさ、取引先や金融機関からの見られ方、決算公告の義務といった特徴があります。将来出資を受ける予定があるのか、少人数で小さく始めるのかを先に決めると、形態の選択で迷いません。

定款の作成と公証人の認証

定款には、目的、商号、本店所在地、設立に際して出資される財産の価額またはその最低額、発起人の氏名または名称と住所を必ず記載します。このうち目的は、将来始めるかもしれない事業まで含めて書いておくと、後から定款変更をする手間が省けます。ただし許認可が必要な事業は、目的の書き方を所管の窓口に確認してください。

株式会社の定款は、本店所在地の都道府県にある公証役場で、公証人の認証を受けます。認証のときには、会社の実質的支配者となる人を申告する書類も提出します。紙の定款には4万円の収入印紙が必要ですが、電子定款にすると不要になるため、司法書士などの専門家に依頼する場合は電子定款に対応しているかを確認するとよいでしょう。

出資の払込みと払込証明書

認証が終わったら、発起人が定款で定めた出資額を払い込みます。設立登記の前は会社名義の口座がないため、発起人個人の預金口座に振り込むのが一般的です。出資の日付と金額が通帳に記録されるよう、現金の預け入れではなく、発起人本人または他の発起人名義の振込で記録を残してください。

払込みを確認したら、通帳の表紙、振込が記録された頁の写しを綴じ、払込みがあったことを証明する書面を添えます。この書面が、設立登記の申請書類のひとつになります。払込みの記録が不十分だと登記官から補正を求められ、設立日が遅れるため、金額と日付は正確に残してください。

設立登記の申請と登録免許税

設立の登記は、本店所在地を管轄する法務局に申請します。会社法では、払込みの確認など所定の手続きが終わった日のうち遅い日から2週間以内と定められています。申請書には、定款、発起人の決定書、設立時代表取締役の選定を示す書面、就任承諾書、役員の本人確認書類、払込証明書、印鑑届書などを添付します。

登録免許税は、株式会社の場合は資本金の額に一定の率をかけた額で、下限が定められています。資本金を小さくしても、下限の金額は必要です。会社が成立するのは設立登記を申請した日であり、この日を設立日にしたい場合は、大安や月初といった希望日に合わせて申請日を決める会社もあります。

設立後に出す届出と資本金の考え方

登記が済んだら、税務署に法人設立届出書を提出します。提出期限は設立の日から2か月以内です。青色申告をしたい場合は青色申告の承認申請書を、設立の日から3か月以内か、最初の事業年度が終わる日の前日のうち早い日までに出さなければなりません。従業員に給与を払うなら、給与支払事務所等の開設届出書も必要です。

このほかに、都道府県税事務所と市区町村への法人設立の届出、年金事務所への健康保険・厚生年金の新規適用届、労働基準監督署とハローワークへの届出があります。資本金の額は、法人住民税の均等割や、設立から最初の2年間の消費税の納税義務に関わります。資本金を1,000万円未満にするか以上にするかは、設立前に税理士へ相談してください。

設立前後に整えておく記録

設立日から請求書、領収書、通帳、契約書の記録が始まります。設立前に発起人が立て替えた費用は、設立後に会社が精算できるよう、領収書の宛名と金額を残しておきます。請求書番号の付け方、証憑の保管場所、月末の締め日は、最初のひと月で決めておくと、決算のときに慌てません。

4invoices.net では PDF の請求書を発行し、保管できます。4softerp.net は複数会社の財務 ERP と会計に使えます。どちらも法務局や税務署への申請は行わず、日本の税務システムとは接続しません。登記や届出は司法書士や税理士に依頼するか、ご自身で窓口へ申請してください。

決算期と役員の任期を先に決める

事業年度の長さと決算月は、定款で決めます。決算月は、繁忙期を避けて経理の負担が軽くなる月を選ぶのが一般的です。設立後の最初の事業年度は1年未満でも構いませんが、法人税の申告期限が事業年度の終了から2か月以内であるため、決算月から逆算して、会計資料をそろえる日程を組んでおきます。

取締役の任期は原則2年で、株式を自由に譲渡できない会社では、定款で最長10年まで延ばせます。任期が満了すると、同じ人が続けて務める場合でも役員変更の登記が必要で、怠ると過料の対象になる場合があります。任期の満了日は、設立時にカレンダーへ記録してください。

01
課題

設立登記の期限を知らず、申請が遅れてしまう。

解決策

払込みが終わった日を基準に、2週間以内の申請日をカレンダーに書きます。司法書士に依頼する場合は、払込証明書を渡す日を逆算して決めてください。

02
課題

設立後の届出の提出先が多く、どれかが漏れる。

解決策

税務署、都道府県税事務所、市区町村、年金事務所の4か所を一覧にして、期限と担当者を書き出します。

03
課題

設立前の立替費用の領収書が残っていない。

解決策

発起人が支払った費用は、宛名、日付、金額が分かる領収書を保管し、設立後の精算の根拠にします。

株式会社の設立に最低資本金は必要ですか

最低資本金の制度は会社法の施行で廃止されたため、1円からでも株式会社を設立できます。ただし登録免許税には下限があり、定款認証の手数料や専門家への報酬も別にかかります。また資本金が小さいと、金融機関や取引先から信用面で見られる場合があるため、事業計画に合わせて決めてください。

設立登記は自分で申請できますか

発起人が自分で申請することは可能で、法務局のオンライン申請や窓口で受け付けています。ただし、添付書類の不備があると補正を求められます。司法書士に依頼すれば書類作成から申請まで任せられるため、費用と手間を比べ、定款の内容が複雑な場合は専門家に相談するとよいでしょう。

会社の設立日はいつになりますか

株式会社は設立登記を申請した日が成立の日、つまり設立日になります。登記が完了した日ではありません。法務局が混んでいると、完了まで数日かかることもあります。設立日を指定したい場合は、書類を事前に法務局で確認してもらい、希望日に申請するのが一般的です。

設立後すぐに請求書を発行して問題ありませんか

法人格は設立登記を申請した日に生じるため、その後であれば会社名義で請求書を発行できます。ただし、インボイス制度の登録番号は税務署に申請して通知を受けるまでありません。登録前の請求書に番号を書くことはできないため、取引先と時期を相談してください。

会社設立

設立初日からの請求書

PDF の請求書と保管機能。設立登記は法務局で申請します。