海外の子会社と支店

海外の子会社は独立した法人、支店は日本の会社の一部で、責任の範囲と日本での課税が異なります。出資には外為法の報告があり、日本側では移転価格や外国子会社合算税制にも注意が必要です。

子会社と支店の違い

子会社は、現地の法律に基づいて設立される別の法人です。親会社の責任は、原則として出資の範囲に限られます。現地で法人税の申告を行い、配当を日本の親会社に送る形で利益を移します。契約や雇用は、子会社の名義で行います。

支店は、日本の会社の一部で、独立した法人ではありません。現地の取引は日本の会社が責任を負い、日本の法人税の申告で、支店の所得も合算します。外国で支店を作ると、現地での登録が必要な国が多くあります。事業の規模、リスク、現地の規制により、どちらが適するかは変わります。

外為法に基づく報告と届出

外国の会社に出資して、一定の議決権を取得することは、対外直接投資にあたり、外国為替及び外国貿易法に基づく報告や届出が必要です。業種によっては、事前の届出が必要になります。届出の窓口は、日本銀行を経由して財務大臣などに行う形です。

海外への送金や、海外からの受取りが一定額を超えるときも、支払い等の報告書の提出が必要な場合があります。銀行が手続きを案内することが多いですが、報告の責任は事業者にあります。出資や送金の計画が固まった段階で、銀行と専門家に、必要な手続きを確認してください。

日本側の税務——配当と合算課税

海外の子会社から日本の親会社が受け取る配当は、一定の要件を満たす場合、外国子会社配当益金不算入の制度により、配当の大部分が日本の課税対象から外れます。要件には、持株の割合や保有の期間があります。要件を満たすかは、配当の前に確認します。

税負担の低い国に子会社を置くと、一定の場合に、子会社の所得が日本の親会社の所得に合算される外国子会社合算税制の対象になります。実体のある事業を現地で行っているかが、判断のひとつになります。拠点を置く国の税率と事業の内容を、設立の前に税理士に説明して、確認してください。

親子間取引と移転価格

親会社と子会社の間で、商品の売買、サービスの提供、貸付、使用料の支払いを行うとき、取引価格が独立した第三者との取引と同じ水準でなければ、日本や現地で課税の調整を受ける場合があります。これが移転価格税制の考え方です。

価格の根拠を示す資料を、取引の開始時から作っておくと、調査のときに説明できます。契約書に、役務の内容、価格の算定方法、支払いの条件を書き、請求書と対応させます。取引の規模が大きい場合は、文書化の義務があるので、税理士に確認してください。

現地の会計、帳簿、申告

海外の拠点には、現地の会計基準と申告期限が適用されます。決算期、帳簿の保存期間、監査の要否、付加価値税の申告の頻度が、国ごとに違います。現地の会計事務所に依頼するのが一般的で、日本の親会社は、連結決算のための数字を、定期的に受け取ります。

通貨が違うため、日本の決算では、現地の通貨の数字を円に換算します。換算のレートと時点を、社内で決めておくと、毎期の処理が安定します。為替の差損益も、日本の会計に反映する必要があります。会社ごとの記録を分けて管理することが、確認作業の基本です。

会社ごとの記録とシステム基盤

4softerp.net は、複数会社の財務 ERP と会計に使えます。親会社と海外拠点の記録を、会社ごとに分けて管理できます。ただし、各国の税務申告や、現地の会計基準に基づく決算書の作成は含まれません。現地の申告は、現地の専門家に依頼してください。

4hosting.net は、EU のデータセンターでのウェブホスティングと VPS を提供します。海外拠点向けのサイトを置く場合に、個人情報の保存場所が問題になることがあるため、プライバシーポリシーに保存場所を書いてください。4b2b の製品は、日本や現地の当局には接続しません。

01
課題

海外の拠点を子会社にするか支店にするかで、判断が分かれる。

解決策

責任の範囲、現地での登録、日本での課税を比較表にして、税理士と現地の専門家に確認します。

02
課題

親子間の取引価格の根拠が残っておらず、移転価格の調査で説明できない。

解決策

契約書に価格の算定方法を書き、取引の開始時に、価格を決めた理由の資料を保存します。

03
課題

親会社と海外子会社の数字を集めるのに、毎期時間がかかる。

解決策

会社ごとの勘定科目の対応表を作り、提出の期限と形式を、現地の会計担当者と決めます。

海外子会社を設立するには何が必要ですか

現地の法律に基づく設立の手続き、資本金の払込み、役員の選任、現地の登録が必要です。日本側では、外為法に基づく出資の報告や届出があります。国によって、最低資本金や外国人の役員の要件が異なります。現地の専門家に、必要な書類と日数を確認してください。

海外の支店の所得は日本で課税されますか

日本の会社の支店は、日本の会社の一部であるため、日本の法人税の課税対象になります。外国で納めた税額は、外国税額控除の制度で、一定の限度まで日本の法人税から控除できます。現地での申告と、日本での申告の両方が必要です。

海外子会社からの配当は日本で課税されますか

一定の要件を満たす外国子会社からの配当は、外国子会社配当益金不算入の制度により、配当の大部分が日本の課税から除かれます。要件には持株割合と保有の期間があります。要件を満たさなければ、課税されるため、配当の前に税理士に確認してください。

海外拠点の帳簿は日本の本社で保存しますか

現地の法律で、帳簿の保存場所や期間が決められている場合があります。日本の本社でも、連結決算や税務調査のために、必要な資料を保存します。電子データの場合は、現地と日本でアクセスできる仕組みを決めておくと便利です。保存の要件は、現地の専門家と確認してください。

越境取引

会社ごとの会計記録

複数会社の財務 ERP。各国の申告は現地の専門家に依頼してください。